【「彼の/彼女の」では足りない】イタリア語 sua, suo:距離感と関係性を映す所有のことば
1. 単語の基本情報
| 単語 | sua, suo |
| 品詞 | 所有形容詞 ※女性形は sua、男性形は suo、複数形は sue / suoi |
| 発音(カタカナ表記) | スア, スオ |
| 主な意味 | 彼/彼女の あなたの(敬称) |
| 由来 | ラテン語 suus(自分自身のもの)に由来し、話し手ではなく「主語に属するもの」を指す概念が根底にある。 |
2.イタリア語母語話者が教える「本当の使い方」
2-1. 例文と解説
A. 三人称の所有を表す基本用法
例文1
Ha perso il suo telefono.
彼は自分の携帯をなくした。
主語が誰であっても「その人自身のもの」であることを示すのが suo / sua で、日本語の「彼の」「彼女の」よりも主語との結びつきが強い。
B. 敬称としての「あなたの」
例文2
Sua moglie arriverà più tardi.
あなたの奥様は後ほど到着します。
丁寧な文脈では、三人称形を使って相手を立てるのがイタリア語の慣習で、距離と敬意を同時に表す。
C. 抽象的な「その人らしさ」を示す用法
例文3
Ognuno ha il suo modo di vivere.
人それぞれ、自分なりの生き方がある。
物理的な所有だけでなく、考え方や価値観といった内面的な「その人固有のもの」にも使われる。
2-2. ニュアンスの深掘り
suo / sua が持つ核心は「所有」よりも「帰属」であり、イタリア語話者はそれを通じて人と物、人と考え方の結びつきを自然に表現する。
日本語の「彼の」は客観的だが、suo には「切り離せない一部」という感覚が含まれやすく、そこにイタリア語の人間中心的な思考様式が表れている。
例文
Rispetta la sua scelta.
彼/彼女の選択を尊重しなさい。
2-3. 日常の中での登場シーン
家族や身近な人の話題
Ha parlato con sua madre.(彼は自分の母と話した)
丁寧な接客や公的場面
Il suo documento, per favore.(あなたの書類をお願いします)
一般論を述べる場面
Ognuno segue il suo ritmo.(人はそれぞれ自分のペースで進む)
3.疑問に答えるQ&A
Q1. sua と suo はどう使い分ける?

所有者ではなく、後ろに来る名詞の性・数に一致させる。
sua casa, suo libro のように名詞基準で決まる。
Q2. di lui / di lei と何が違う?

di lui / di lei は所有関係を強調・明示したいときに使い、
suo / sua は自然で流れるような表現になる。
4.関連表現・派生語
よく使われる連語
a suo modo(彼/彼女なりに)
di sua iniziativa(自発的に)
この単語を含む慣用句
fare il suo dovere(自分の務めを果たす)
suo malgrado(本人の意に反して)
まとめ
| コアの意味 | 主語に属するもの |
| 広がる意味 | 関係性 価値観 その人らしさ |
| ネイティブの感覚 | 所有より帰属を重視する言葉 |
| 発音の注意 | 母音をはっきり発音し、語尾を弱めない |
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