litigare

【「けんかする」だけじゃない!】イタリア語の「litigare」の本当の使い方:感情と意見をぶつけ合う動詞

1. 単語の基本情報

単語litigare
品詞動詞(自動詞・他動詞)
発音(カタカナ表記)リティガーレ
主な意味けんかする、口論する、言い争う、仲たがいする
由来ラテン語 litigare(争う、訴える)に由来。
語根 lis(訴訟、争い) に由来しており、もともとは法廷で「言い争う」「弁論する」という意味を持っていた。

2.イタリア語母語話者が教える「本当の使い方」

2-1. 例文と解説

A. 最も一般的な「口論する」「けんかする」

例文 1
Ho litigato con mio fratello.
兄(弟)とけんかした。

最も自然な使い方。「誰と」は常に“con+人”で表します。
「相手と激しく言い合った」イメージで、軽い口げんかから本格的な対立まで幅広く使えます。

例文 2
Litigano sempre per cose banali.
彼らはいつもくだらないことで口論している。

“litigare per+理由”で、「〜のことでけんかする」。
カップルや家族の話題でも日常的に使われます。

B. 「仲たがいする」「関係が悪くなる」

例文 3
Dopo quella discussione, abbiamo litigato e non ci parliamo più.
あの口論のあと、けんかしてもう話していない。

“litigare” は単なる一時的な口論だけでなく、人間関係がこじれた・疎遠になったという意味でも使われます。

C. 他動詞的な使い方:「〜のことで争う」「〜をめぐってもめる」

例文 4
Stanno litigando l’eredità.
彼らは遺産をめぐって争っている。

このように、目的語を伴って「〜を争う」という意味でも使えます。
やや書き言葉・フォーマル寄りで、裁判・相続などの文脈にも登場します。

2-2. ニュアンスの深掘り

“litigare”のコアは「意見・感情をぶつけ合うこと」。
英語の argue よりも感情的で、fight よりも言葉のぶつかり合いに近い。

イタリア人にとって「litigare」は悪いことばかりではありません。
感情を素直に出し合うコミュニケーションの一形態でもあります。
口論の後でも、“Dopo aver litigato, ci siamo chiariti.(けんかのあとで分かり合えた)”のように、むしろ関係が深まることも。

同じ意味の単語との違い:
litigare(言い争う。感情的・口頭的)
discutere(議論する。理性的)
bisticciare(口げんかする。軽いトラブル)
combattere(戦う。物理的・比喩的)

例:「Hanno discusso a lungo(長く議論した)」は冷静、
「Hanno litigato(けんかした)」は感情的、という違い。

2-3. 日常の中での登場シーン

家族・カップルの場面
Litigano spesso, ma si vogliono bene.(よくけんかするけど、仲はいい)

友人関係の話題
Ho litigato con la mia migliore amica.(親友とけんかした)

ニュース・社会問題
I politici hanno litigato in diretta TV.(政治家たちが生放送中に言い争った)

フォーマルな場面
Le famiglie stanno ancora litigando l’eredità.(家族たちはまだ遺産をめぐって争っている)

3.疑問に答えるQ&A

Q1. “litigare con qualcuno” と “per qualcosa” はどう違う?

lumacayo
lumacayo

“litigare con qualcuno”「誰と」けんかする“litigare per qualcosa” は「何のことで」けんかする
両方を一緒に使うこともできます。
例:「Ho litigato con lui per una sciocchezza.(くだらないことで彼とけんかした)」

Q2. “bisticciare” との違いは?

lumacayo
lumacayo

“bisticciare” はもっと軽く、「小競り合い」「じゃれ合い」のような口げんか。
例:「I bambini bisticciano per un giocattolo.(子どもたちはおもちゃのことでけんかしている)」

4.関連表現・派生語

よく使われる連語
litigare con qualcuno(誰かとけんかする)
litigare per qualcosa(〜のことでけんかする)
fare pace dopo aver litigato(けんかしたあと仲直りする)

派生語
lite(口論、けんか)
litigioso(けんか好きな)
litigante(争う当事者)

この単語を含む慣用句
fare una lite(口論する)
dopo una lite(けんかのあとで)
litigare con il mondo(世の中と対立する)

5.おまけ:ちょっとしたイタリア小話

イタリアでは「けんか」も会話のうち?
イタリアでは、感情をぶつけることを恐れません。
大声で言い合っても、10分後には仲直りして一緒に食事、なんて日常茶飯事。
“litigare”は感情を共有する文化の一部とも言えます。

lumacayo
lumacayo

静かな日本人から見ると驚くかもしれませんが、イタリア人にとって「けんかできる関係」は「本音を言える関係」なのです。

まとめ

コアの意味言葉や感情をぶつけ合って争うこと。
広がる意味軽い口げんかから深刻な対立まで、感情的な衝突全般。
ネイティブの感覚“litigare” は単なるけんかではなく、心を通わせるための「熱のある対話」。
発音の注意“ti”を軽く弾き、「リティガーレ」と滑らかに。

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