【「外国の」だけじゃない!】イタリア語の「estera, estero」の本当の使い方:境界の外にある世界を示す言葉
1. 単語の基本情報
| 単語 | estera, estero |
| 品詞 | 形容詞 ※女性形は estera、男性形は estero、複数形は estere / esteri |
| 発音(カタカナ表記) | エステラ, エステロ |
| 主な意味 | 外国の、海外の、国外の |
| 由来 | ラテン語 extra(外に、外部に)に由来し、「境界の外側」を意味する語から発展した |
2.イタリア語母語話者が教える「本当の使い方」
2-1. 例文と解説
A. 国や組織が「外国に属する」ことを示す用法
例文1
Ho lavorato per un’azienda estera.
私は外国企業で働いていました。
estero は「自分の国の外に属する」という意味で使われる。ここでは話し手の基準はイタリアであり、azienda estera は「イタリア国外に本拠を置く企業」という感覚になる。単に「外国」というより、「自分たちの枠の外にある」という視点が含まれる。
B. 政治・制度・対外関係を表す用法
例文2
Si occupa di politica estera.
彼は外交政策を担当している。
politica estera は「外国に向けられた政治」という意味で、内政(politica interna)と対になる概念である。
ここでも基準は常に「自国」であり、その外側との関係性を示す語として使われる。
2-2. ニュアンスの深掘り
estero は単に地理的な「外国」を指すだけではなく、「自分たちの共同体の外側」という感覚を含む言葉である。
イタリアでは家族、地域、国家といった「内側」のつながりが強く意識される文化があり、その外にある世界を示すときに estero が使われる。
だからこそ azienda estera や studente estero という表現には、「私たちとは異なる背景を持つ存在」というニュアンスが自然ににじむ。
ただし排他的というよりは、「内」と「外」をはっきり区別する思考様式の反映である。イタリア人にとって estero は距離だけでなく、制度、文化、価値観の違いを含む言葉でもある。
例文
Molti giovani vogliono fare un’esperienza all’estero.
多くの若者が海外で経験をしたいと考えている。
2-3. 日常の中での登場シーン
ニュース番組
La situazione economica estera è complessa.(海外経済の状況は複雑だ。)
就職活動
Cerco un’azienda estera con sede in Italia.(イタリアに拠点のある外資系企業を探しています。)
大学の会話
È uno studente estero.(彼は留学生です。)
3.疑問に答えるQ&A
Q1. estero と straniero の違いは?

estero は「国外に属する」という客観的・制度的なニュアンスが強い。一方 straniero は「よそ者」「外国人」という人に向けた語で、より個人的・社会的な響きを持つ。
azienda estera は自然だが、azienda straniera だと「よそから来た企業」という印象がやや強くなる。
Q2. all’estero とはどういう形?

all’estero は「海外で」「海外へ」という意味の慣用表現で、定冠詞+estero の形で副詞的に使われる。単数男性形が固定的に用いられ、複数形にはならない。
4.関連表現・派生語
よく使われる連語
politica estera(外交政策)
mercato estero(海外市場)
派生語
estero(名詞:海外)
この単語を含む慣用句
andare all’estero(海外へ行く)
まとめ
| コアの意味 | 自国・自分たちの枠の「外側」に属すること |
| 広がる意味 | 外国企業、外交政策、海外経験など制度・文化の外部を示す語へと広がる |
| ネイティブの感覚 | 単なる地理的距離ではなく、「内」と「外」を分ける思考の中で使われる言葉 |
| 発音の注意 | エステロの r は軽く巻き、estera との語尾変化をはっきり区別する |
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