【始まりを告げる動詞】イタリア語の cominciare:行為と時間をそっと動かす言葉
1. 単語の基本情報
| 単語 | cominciare |
| 品詞 | 動詞 |
| 発音(カタカナ表記) | コミンチャーレ |
| 主な意味 | 始める 開始する |
| 由来 | ラテン語 cominitiare(始めに入る、着手する)に由来し、「ある行為や状態の内部に入っていく」感覚をもつ動詞 |
2.イタリア語母語話者が教える「本当の使い方」
2-1. 例文と解説
A. 行為や活動の開始を表す基本用法
例文1
Comincio a lavorare alle nove.
私は9時に仕事を始める。
cominciare は「開始点」に意識が向いた動詞で、a+不定詞とともに使われることで、これから動き出す行為を自然に表す。
B. 出来事やプロセスの始まりを述べる用法
例文2
Il film comincia alle otto.
その映画は8時に始まる。
この用法では主語が人でなくてもよく、時間の流れの中で何かが立ち上がる瞬間を示す。
C. 接続詞的に文の流れを導く用法
例文3
Cominciamo col dire che non è facile.
まず言っておきたいのは、それは簡単ではないということだ。
この場合の cominciare は物理的な開始ではなく、話や思考の入口を示す働きをし、聞き手をこれからの展開へ導く。
2-2. ニュアンスの深掘り
cominciare は「始める」という結果よりも、その一歩を踏み出す過程に重心がある動詞で、イタリア語では行為を点ではなく流れとして捉える感覚が反映されている。
何かを完遂するかどうかより、「とりあえず始めてみる」という姿勢が言語にも表れ、人生や仕事に対する柔軟な向き合い方を感じさせる。
例文
Tutto comincia con una piccola idea.
すべては小さなアイデアから始まる。
2-3. 日常の中での登場シーン
一日の始まり
Comincio la giornata con un caffè.(私は一日をコーヒーで始める)
会話の導入
Cominciamo da qui.(ここから始めよう)
新しい挑戦
Ho cominciato a studiare italiano.(私はイタリア語の勉強を始めた)
3.疑問に答えるQ&A
Q1. iniziare との違いは?

意味は非常に近いが、cominciare のほうが日常会話で柔らかく、行為の流れに入る感覚が強い。
iniziare はやや形式的で、公式な文脈でも使われやすい。
Q2.「自分が始める」時と「物事が始まる」時、どっちも使える?

はい、両方に使えます。ただし、完了形(近過去)の時に助動詞の使い分けに注意が必要です。
物事が勝手に始まった時(自動詞):
Lo spettacolo è cominciato.(ショーが始まった)
自分が何かを始めた時(他動詞):
Ho cominciato a leggere.(私は読み始めた)
4.関連表現・派生語
よく使われる連語
cominciare a fare(〜し始める)
cominciare da zero(ゼロから始める)
派生語
cominciamento(始まり)
この単語を含む慣用句
cominciare col piede giusto(良いスタートを切る)
まとめ
| コアの意味 | 行為や出来事の始まり |
| 広がる意味 | 思考の導入 時間の流れへの参加 |
| ネイティブの感覚 | 結果よりプロセス重視 |
| 発音の注意 | ci は「チャ」と発音し、語尾の re は軽く添える |
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