【「持つ」だけじゃない!】イタリア語の「avere」の本当の使い方:所有・状態・感情・慣用句までカバーする最重要動詞
1. 単語の基本情報
| 単語 | avere |
| 品詞 | 動詞(他動詞、補助動詞) |
| 発音(カタカナ表記) | アヴェレ |
| 主な意味 | 持つ、所有する、(身体・感情の)状態がある、経験する、助動詞として完了形を作る |
| 由来 | ラテン語 habēre(持つ、所有する)に由来。 |
2.イタリア語母語話者が教える「本当の使い方」
2-1. 例文と解説
A. ものの「所有」を表す基本の意味
例文 1
Ho una macchina nuova.
新しい車を持っている。
最も基本的な用法。他人・物・状況の保有を表す。
B. 生理的な状態を表す
例文 2
Ho fame.
お腹が空いた。
英語と違い、気分や感覚を“avere”で言うのがイタリア語の大きな特徴。
C. 感情・心理状態も表す
例文 3
Hai paura?
怖いの?
“avere+名詞”で心の状態を伝える、非常にイタリア語らしい表現。
D. 経験・出来事を「持つ」=経験する
例文 4
Ho avuto un’idea.
いいアイデアが浮かんだ。
「思いつく」「体験する」など抽象的な所有を表す。
E. 助動詞:近過去など完了形を作る
例文 5
Ho mangiato.
食べた。
多くの他動詞の近過去は“avere”を使う。動作と対象を強調したいときも同様。
2-2. ニュアンスの深掘り
“avere”は所有にとどまらず「状態・経験」を名詞化して持つというイタリア語の発想を体現している。
心理的・身体的状態のほとんどが“avere+名詞”で表せるため、感情や体調の描写がシンプルになる。
また完了形の助動詞として日常会話の中心に位置し、“avere”なしでは過去が語れないと言ってもよい。
例文:Hai sonno? Bevi un caffè!(眠いの?コーヒー飲みなよ!)
2-3. 日常の中での登場シーン
体調・感情の表現
Ho sonno.(眠い)
所有や身の回りの話
Hai tempo oggi?(今日は時間ある?)
物事の経験を述べるとき
Ho avuto una giornata difficile.(大変な一日だった)
過去の出来事を話すとき
Abbiamo visto un bel film.(良い映画を見たよ)
3.疑問に答えるQ&A
Q1. “avere” と “essere” はどう使い分ける?

完了形での助動詞として、他動詞は通常“avere”。
移動・状態変化などの自動詞、再帰動詞は“essere”が多い。
Q2. “avere+名詞”と“essere+形容詞”の違いは?

Ho fame.(お腹が空いている)=状態の名詞化
Sono affamato.(飢えている)=より強くドラマチック
ニュアンスの違いで使い分ける。
Q3. “avercela”の意味は?

特定の人に対して「怒り・恨みを持っている」
例:Ce l’ha con me.(彼は私に怒っている)
4.関連表現・派生語
よく使われる連語
avere fame(お腹が空く)
avere sete(喉が渇く)
avere mal di testa(頭が痛い)
avere tempo(時間がある)
avere voglia di…(〜したい気分だ)
派生語
avuto(avere の過去分詞)
この単語を含む慣用句
avere ragione(正しい)
avere torto(間違っている)
avere fretta(急いでいる)
avere cura di…(〜を大切にする)
averci a che fare(関わりがある、付き合わなければならない)
まとめ
| コアの意味 | 持つ、所有する。 |
| 広がる意味 | 身体・感情の状態、経験、完了形の助動詞など生活のすべてに登場する語。 |
| ネイティブの感覚 | “avere”は日常語の中心にある「万能動詞」。生活のあらゆる場面を支える基礎語彙。 |
| 発音の注意 | アヴェレ。語頭の“a”を明確に。 |
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