【「古い」だけじゃない!】イタリア語の「vecchio」の本当の使い方:物・人・関係性まで
1. 単語の基本情報
| 単語 | vecchio |
| 品詞 | 形容詞、名詞としても使われる |
| 発音(カタカナ表記) | ヴェッキオ |
| 主な意味 | 古い、年老いた、昔の、長年の、古くからの、老人 ※名詞的用法 |
| 由来 | ラテン語 vetulus(年老いた)から派生。 |
2.イタリア語母語話者が教える「本当の使い方」
2-1. 例文と解説
A. 物に対して「古い」
例文 1
Questo libro è molto vecchio.
この本はとても古い。
物に使う場合は単純に「古い」「古びた」。必ずしも悪い意味ではありません。
例文 2
La mia macchina è vecchia ma funziona ancora bene.
私の車は古いけれどまだよく走る。
B. 人に対して「年老いた」
例文 3
Mio nonno è vecchio, ma ancora molto attivo.
私の祖父は年老いているけれど、とても元気だ。
“vecchio” は人に使うときは注意が必要。直接言うと失礼になることもあり、“anziano(高齢の)”のほうが丁寧。
C. 「昔の」「古くからの」
例文 4
Siamo vecchi amici.
私たちは古くからの友人だ。
この“vecchio” は「長い時間のつながり」「昔から続く関係」を表す肯定的な意味。
例文 5
La mia vecchia scuola è stata ristrutturata.
私の昔の学校は改装された。
D. 名詞として「老人」
例文 6
Aiuta quel vecchio ad attraversare la strada.
あの老人が道を渡るのを助けてあげて。
“un vecchio” は「お年寄り」という意味の名詞。口語的でやや素朴な響き。
2-2. ニュアンスの深掘り
“vecchio” は「古い」「長い時間を経た」という中立的な意味と、「古臭い・古びた」という否定的な意味の両方を持つ。
文脈によって評価が変わり、特に人に直接使う場合は配慮が必要。
反対に“vecchio amico”のような表現では、関係の深さを示す温かいニュアンスになる。
例文:È un mio vecchio collega.(彼は昔からの同僚だ)
2-3. 日常の中での登場シーン
物の状態を表すとき
La casa è un po’ vecchia.(この家は少し古い)
長い付き合いを表すとき
È il mio vecchio amico.(彼は昔からの友人だ)
人の年齢の話題で
Non è giovane, è un po’ vecchio.(若くはなく、少し年配だ)
ノスタルジーの文脈
Mi manca la mia vecchia città.(昔住んでいた街が恋しい)
3.疑問に答えるQ&A
Q1. “vecchio amico” と “amico vecchio” の違いは?

vecchio amico=昔からの友達(関係の長さにフォーカス)
amico vecchio=年老いた友達(人物が高齢)
語順で意味が大きく変わるので注意。
Q2. “vecchietto” はどういう意味?

“vecchietto” は「おじいさん」や「年配の男性」を柔らかく表す、少し親しみのある呼び方。
例:Quel vecchietto è molto simpatico.(あのおじいさん、とても感じがいい
4.関連表現・派生語
よく使われる連語
vecchio amico(古くからの友人)
vecchia abitudine(昔の習慣)
vecchia casa(昔住んでいた家)
strada vecchia(古い道路)
派生語
vecchiaia(老い、老年)
vecchietto(お年寄り、老人への親しみ表現)
invecchiare(年を取る、古くなる)
この単語を含む慣用句
essere vecchio dentro(心が老けている)
il buon vecchio tempo(懐かしい昔)
まとめ
| コアの意味 | 「古い」「年を経た」。 |
| 広がる意味 | 物の古さ、年齢、昔からの関係、懐かしさ、名詞としての「老人」。 |
| ネイティブの感覚 | “vecchio” は使い方次第で愛情表現にも失礼にもなる。物は中立、人は注意、関係性には温かい響き。 |
| 発音の注意 | 「ヴェッキオ」。cc は「ッキ」と強く発音。 |
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