【「紙」だけじゃない!】イタリア語の「carta」の本当の使い方:書く・包む・示す、多彩な一枚
1. 単語の基本情報
| 単語 | carta |
| 品詞 | 名詞(女性名詞) |
| 発音(カタカナ表記) | カルタ |
| 主な意味 | 紙、カード、地図、書類、メニュー、手札 |
| 由来 | ラテン語 charta(紙、巻物)に由来。 古代ではパピルスの巻物を指し、そこから「文字を書くもの」全般を意味するようになった。 |
2.イタリア語母語話者が教える「本当の使い方」
2-1. 例文と解説
A. 一般的な「紙」
例文 1
Hai una carta e una penna?
紙とペンある?
もっとも基本的な使い方。コピー用紙でも、ノートの紙でもOK。
“foglio(フォユィオ)”と似ていますが、“carta”は素材としての「紙」、“foglio”は1枚の紙(単位)を強調します。
例文 2
Questa carta è troppo sottile.
この紙は薄すぎる。
素材や質感を表す場合は常に“carta”。
B. 「カード」「証明書」の意味
例文 3
Ho dimenticato la carta d’identità.
身分証を忘れた。
“carta”は「カード」「証明書」「許可証」といった公式文書も表します。
例:「carta di credito(クレジットカード)」「carta d’imbarco(搭乗券)」
例文 4
Pago con la carta.
カードで支払います。
現代では単に“la carta”といえば、クレジットカード・デビットカードの意味が一般的。
C. 「地図」「メニュー」「手札」などの派生的意味
例文 5
Ho comprato una carta geografica dell’Italia.
イタリアの地図を買った。
“carta geografica”は「地図」、“carta stradale”は「道路地図」を意味します。
例文 6
Posso vedere la carta dei vini?
ワインリストを見せてください。
レストランでは“menu(メニュー)”の代わりに“carta”を使うことが多いです。
“carta dei dolci(デザートメニュー)”なども定番。
例文 7
Hai buone carte in mano.
君はいいカードを持っているね。
トランプの「カード」から転じて、有利な立場・条件を意味する比喩表現。
2-2. ニュアンスの深掘り
“carta”は「書く」「示す」「記録する」といった文化的な行為を象徴する言葉。
イタリア語では、「形ある表現」や「正式なもの」を表す際にも自然に使われます。
同じ意味の単語との違い:
carta(素材・一般的な紙。広い意味)
foglio(1枚の紙。数えられる)
documento(公式な書類)
scheda(フォーム、登録カード、アンケート用紙)
例:「Ho bisogno di una carta bianca.(白紙が必要だ)」は文字通り“紙”の意味のほか、“自由な裁量が与えられている(白紙委任)”という比喩にもなります。
2-3. 日常の中での登場シーン
学校やオフィス
Scrivi sulla carta, non sul tavolo!(机じゃなくて紙に書いて!)
お店やレストラン
Ecco la carta dei dessert.(こちらがデザートメニューです)
旅行・地図の話題
Guarda la carta stradale.(道路地図を見て)
比喩表現
Giocare bene le proprie carte.(自分の手をうまく使う=チャンスを活かす)
3.疑問に答えるQ&A
Q1. “carta bianca” ってどういう意味?

直訳は「白い紙」ですが、比喩的に「自由裁量」「全権委任」を意味します。
例:「Gli ho dato carta bianca.(彼に全て任せた)」
Q2. “giocare le proprie carte” はどんな状況で使う?

直訳は「自分のカードを使う」。
転じて「自分の持つ手段・チャンスを活かす」という意味。
例:「Ha giocato bene le sue carte nella carriera.(彼はキャリアのチャンスをうまく活かした)」
4.関連表現・派生語
よく使われる連語
carta di credito(クレジットカード)
carta d’identità(身分証)
carta geografica(地図)
carta bianca(白紙委任)
carta dei vini(ワインリスト)
派生語
cartaceo(紙の、紙媒体の)
cartolina(絵はがき)
cartoleria(文房具店)
この単語を含む慣用句
giocare le proprie carte(チャンスを活かす)
avere buone carte in mano(有利な立場にある)
mettere le carte in tavola(腹を割って話す)
5.おまけ:ちょっとしたイタリア小話
イタリアの「carta」文化
イタリアではデジタル化が進む今でも、“carta”は生活の中心にあります。
役所では「紙の書類(documenti cartacei)」が今も基本。
また、プレゼントを丁寧に“avvolgere nella carta(紙で包む)”習慣も健在です。
さらに、“carta”には「正式」「信頼できるもの」というイメージがあり、“un documento su carta intestata(社名入りの用紙の正式書類)”という言い方もよく使われます。
まとめ
| コアの意味 | 「紙」=情報・記録・表現のための媒体。 |
| 広がる意味 | カード・地図・メニュー・比喩的な“手段”まで多岐にわたる。 |
| ネイティブの感覚 | “carta” は単なる紙ではなく、「形ある伝達」「記録する文化」を象徴する言葉。 |
| 発音の注意 | “r”を軽く巻き、「カルタ」と歯切れよく発音。 |
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