【「遅れ」だけじゃない!】イタリア語の「ritardo」が語る、時間と人間関係の感覚
1. 単語の基本情報
| 単語 | ritardo |
| 品詞 | 名詞(男性名詞) |
| 発音(カタカナ表記) | リタルド |
| 主な意味 | 遅れ、遅刻、延期、時間的なずれ |
| 由来 | ラテン語 retardare(遅らせる、引き延ばす)に由来し、「意図的・非意図的に時間が後ろへずれること」を表す語として定着した。 |
2.イタリア語母語話者が教える「本当の使い方」
2-1. 例文と解説
A. 物理的・客観的な「時間の遅れ」
例文1
Il treno è in ritardo di dieci minuti.
電車は10分遅れています。
時刻表や予定と現実のズレを客観的に述べる用法で、感情はほとんど含まれない。交通機関、会議、提出期限など「時間が基準になる場面」で最も基本的に使われる。
B. 人の行動に対する「遅刻・到着の遅れ」
例文2
Scusa il ritardo.
遅れてごめんなさい。
謝罪表現として非常に頻繁に使われる定型表現で、軽い遅刻からフォーマルな場まで幅広く対応できる便利な言い回し。言い訳を添えなくても成立する点が特徴。
C. 抽象的・比喩的な「遅れ」
例文3
Siamo in ritardo rispetto agli altri paesi.
私たちは他国と比べて遅れている。
技術、制度、考え方など、目に見えない進捗や発展の差を表す際にも使われる。単なる時間ではなく「進み具合」の遅れを示すのがポイント。
2-2. ニュアンスの深掘り
ritardo は単なる「遅れ」を指す言葉でありながら、イタリア人の時間感覚と人間関係への配慮が色濃く反映された語でもある。
イタリアでは時間は絶対的な支配者というより、人や状況に合わせて柔軟に動くものと捉えられることが多く、そのため ritardo 自体が強い非難を含むとは限らない。
一方で、公式な場や仕事では「認識している」「自覚している」ことを示すために ritardo を口にすることが重要で、言葉にすることで関係性の摩擦を和らげる役割も果たす。
つまり ritardo は時間の問題であると同時に、社会的なバランスを取るための言葉でもある。
例文
Arrivo con un po’ di ritardo, ma arrivo.
少し遅れるけれど、ちゃんと行きます。
2-3. 日常の中での登場シーン
待ち合わせ
Scusa il ritardo!(遅れてごめん!)
仕事・会議
C’è stato un leggero ritardo.(少し遅れが出ました)
交通機関
Il volo ha un ritardo di mezz’ora.(フライトは30分遅れています)
社会的な話題
Un ritardo culturale o tecnologico(文化的・技術的な遅れ)
3.疑問に答えるQ&A
Q1. ritardo は失礼に聞こえない?

文脈によりますが、ritardo 自体は中立的な語です。
謝罪の際に使えば丁寧さを示す表現になり、攻撃的には聞こえません。
Q2. ritardo と tardi の違いは?

ritardo は名詞で「遅れ」という状態を指し、
tardi は副詞で「遅く」という動作の仕方を表します。
Scusa il ritardo は言えるが、Scusa tardi とは言いません。
4.関連表現・派生語
よく使われる連語
in ritardo(遅れて)
con ritardo(遅れて、遅延して)
派生語
ritardare(遅らせる、遅れる)
この単語を含む慣用句
essere in ritardo(遅れている)
まとめ
| コアの意味 | 予定や基準からの時間的なずれ |
| 広がる意味 | 進捗、発展、状況全体の遅れ |
| ネイティブの感覚 | 責める言葉ではなく、状況を整えるための言葉 |
| 発音の注意 | 語尾の -do をはっきり発音する |
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