【我慢?それとも優しさ?】イタリア語 pazienza に込められた「待つ」という美徳
1. 単語の基本情報
| 単語 | pazienza |
| 品詞 | 名詞 ※女性形のみ、複数形は pazienze |
| 発音(カタカナ表記) | パツィエンツァ |
| 主な意味 | 忍耐、 我慢、 辛抱 |
| 由来 | ラテン語 patientia(耐えること、耐久)に由来し、「苦しみや不都合を受け止める姿勢」を表す言葉として発展した。 |
2.イタリア語母語話者が教える「本当の使い方」
2-1. 例文と解説
A. 忍耐・我慢としての pazienza
例文1
Ci vuole pazienza.
忍耐が必要だ。
pazienza は具体的な対象よりも状況全体に対して使われることが多く、「今は耐えるしかない」という現実的な受容を表す。
B. 人に対する寛容さ
例文2
Abbi pazienza con lui.
彼に対して我慢してあげて。
この用法では、感情を抑えるだけでなく、相手を理解しようとする姿勢が含まれる。
C. 軽い苛立ちを示す感嘆的用法
例文3
Pazienza!
もういいよ/仕方ない。
単独で使うと、諦めや受容を含んだ感情的な反応になり、会話では非常に自然。
2-2. ニュアンスの深掘り
イタリア語の pazienza は、日本語の「我慢」ほど自己抑制的ではなく、「時間が解決するのを待つ姿勢」に重きが置かれている。
イタリア人にとって忍耐とは、感情を押し殺すことではなく、流れを信じて身を委ねる態度であり、そこには人間関係や運命に対する柔軟さが反映されている。
例文
Con il tempo, tutto richiede pazienza.
時間とともに、すべてには忍耐が必要になる。
2-3. 日常の中での登場シーン
人間関係
Serve pazienza con i bambini.(子どもには忍耐が必要だ)
仕事・生活
Questo lavoro richiede pazienza.(この仕事には根気がいる)
感情表現
Pazienza, andrà meglio.(まあいいさ、良くなるよ)

イタリアでは交通渋滞や役所の手続きなど、思い通りに進まない場面で「pazienza」という言葉が頻繁に使われる。
それは苛立ちを共有しつつ、場の空気を和らげる合言葉のような存在でもある。
3.疑問に答えるQ&A
Q1. pazienza はネガティブな言葉?

必ずしも否定的ではなく、成熟した態度や思いやりを評価する言葉として使われることが多い。
Q2. calma との違いは?

calma は感情の状態、pazienza は時間や状況に対する姿勢を表す点が異なる。
4.関連表現・派生語
よく使われる連語
avere pazienza(忍耐強くある)
con pazienza(辛抱強く)
派生語
paziente(忍耐強い、患者)
この単語を含む慣用句
perdere la pazienza(堪忍袋の緒が切れる)
far scappare la pazienza a qualcuno(誰かの忍耐を逃げ出させる(=誰かを怒らせる))
Santa pazienza!(聖なる忍耐よ!(おやおや、困ったもんだ))
Ci vorrebbe la pazienza di Giobbe.((聖書の)ヨブのような忍耐強さが必要だ。(=とてつもない忍耐力が必要だ))
まとめ
| コアの意味 | 耐えながら待つ姿勢 |
| 広がる意味 | 寛容さ、諦観、時間への信頼 |
| ネイティブの感覚 | 感情を抑えるより、流れを受け入れる |
| 発音の注意 | zi を「ツィ」とはっきり発音する |
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