【「取る」だけじゃない】イタリア語 prendere が描く行為と関係の感覚
1. 単語の基本情報
| 単語 | prendere |
| 品詞 | 動詞 |
| 発音(カタカナ表記) | プレンデレ |
| 主な意味 | 取る、掴む、受け取る、(交通機関に)乗る、(態度・方向性を)取る |
| 由来 | ラテン語 prehendere(つかむ、捕らえる)に由来し、「手を伸ばして何かを自分の側に引き寄せる」という身体的イメージが語の核にある。 |
2.イタリア語母語話者が教える「本当の使い方」
2-1. 例文と解説
A. 物理的に「取る」「掴む」
例文1
Prendi questo libro, per favore.
この本を取ってください。
最も基本的な用法で、手を使って何かを取る行為を表します。
日本語の「取る」とほぼ対応しますが、prendere には「相手や場から自分の側へ移す」という方向性が常に含まれます。
B. 交通手段を「利用する」「乗る」
例文1
Prendo il treno alle otto.
8時の電車に乗ります。
イタリア語では交通機関に「乗る」を salire ではなく prendere で表すのが基本です。交通手段を一つの“選択してつかむ手段”として捉える感覚が反映されています。
C. 抽象的な対象・態度を「取る」
例文1
Ha preso una decisione importante.
彼は重要な決断を下した。
prendere は物だけでなく、決断・責任・態度など目に見えないものも「引き受ける」「自分のものにする」感覚で使われます。
行為の主体性が強く出るのが特徴です。
2-2. ニュアンスの深掘り
prendere の核にあるのは「主体が関与し、何かを自分の側に引き寄せる」という感覚です。
イタリア語では、行動や選択は外から自然に起こるものではなく、「自分が手を伸ばして取るもの」として語られがちです。そのため、決断や責任、態度までも prendere で表現されます。
この動詞が頻繁に使われる背景には、「人生は受動的に流されるものではなく、主体的に掴み取るものだ」という価値観が透けて見えます。
例文
Prendere la vita come viene non è facile.
人生をあるがままに受け止めるのは簡単ではない。
2-3. 日常の中での登場シーン
日常動作
Prendo un caffè al bar.(バールでコーヒーを飲む)
移動
Prendiamo l’autobus.(バスに乗ろう)
決断・判断
Devo prendere una decisione.(決断しなければならない)
人間関係
L’ha presa male.(彼はそれを悪く受け取った)
3.疑問に答えるQ&A
Q1. prendere は「もらう」とどう違う?

「もらう」は ricevere が中立的ですが、prendere は主体的に動いて手に入れるニュアンスが強く、自発性が前に出ます。
Q2. prendere una decisione は決まり文句?

はい。決断・責任・休憩・時間など、
多くの抽象名詞と結びつく定型表現として非常によく使われます。
4.関連表現・派生語
よく使われる連語
prendere un caffè(コーヒーを飲む)
prendere tempo(時間を稼ぐ)
派生語
presa(掴むこと、把握)
この単語を含む慣用句
prendere sul serio(真剣に受け取る)

イタリア人同士の会話では、「何をするか」よりも「どう取ったか(come l’hai presa)」がよく話題になります。
同じ出来事でも、どう受け取り、どう引き受けたかがその人の姿勢として評価されるためです。
prendere という動詞が多用される背景には、人の在り方を行為として見る文化があります。
まとめ
| コアの意味 | 手を伸ばして自分の側に引き寄せる |
| 広がる意味 | 利用する、選ぶ、引き受ける、受け止める |
| ネイティブの感覚 | 行為や決断は「掴み取るもの」 |
| 発音の注意 | pre- の e は弱く、全体を滑らかにつなげて発音する |
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